Gmail のなぞ (下)

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ウェブ Gmail の操作アイコン
on mouse over による Tips 表示があるので、ウェブ版 Gmail ではキャビネットのアイコンがアーカイブであることがわかる。

Android Gmail で、操作アイコンのうち中央のキャビネットアイコンを押すとそのメールが受信トレイから消えてしまう、という現象がおきた。このアイコンがなんなのかがわからない。タブレットではアイコンにマウスポインタを重ねて説明がでてくるのを待つ、という手も使えないし、右クリックもできない。「用途不明のアイコンをタップしたらメールが消えてしまった」という状況だ。

幸い、「すべてのメール」を見ると消えたメールは存在していて、いわゆる「お空の星」になったわけではなかった。また、ウェブの GMail と比較して見て,問題のアイコンは「アーカイブ」アイコンであることがわかった。なるほど、アーカイブか。一瞬納得した。ならばアーカイブされたメールが集められているフォルダがあるはず、と探してみた。うっかりアーカイブしてしまったメールを受信トレイに戻しておきたかったのだ。ところが、そんなフォルダはない。アーカイブフォルダはないのに、「すべてのメール」にはちゃんと残っている。何が起きているのか。この状態で Gmail をログアウトしたりすると、件のメールは今度こそ本当に「お空の星」になるのではないか。なんだか納得できないぞ。

伝統的なメーラではメールを分類する際に、フォルダあるいはディレクトリによる(仮想的)ツリー概念を用いてきた。したがって、アーカイブするならばまさしく「書庫」となるフォルダがあって、その中にメールが移動されたのだと考えたのである。ところが、Gmail のメール分類はこのモデルではないようだ。分類に使用するのは、ラベルである。どうやら受信トレイも「受信トレイラベル」が付与されているだけで、基本的には構造を持たないフラットなリストで作られているようだ。そしてここのメールにレベルを付与することで分類を実現しているのである。

例えば、個人的にも親しい同僚から仕事の話と週末のバーベキューの誘いとが一緒になったメールがきた場合、仮想的ツリーでは「仕事」か「プライベート」のどちらかに分類しなくてはならなかった(複製などをつくることによって対応できなくはないが)。ラベルなら仕事ラベルとプライベートラベルをつけて両方から参照できる。問題はアーカイブの取扱いだ。「アーカイブラベル」を作って分類するのがありがちな (したがって私の想定する) 処理だが、Gmail は「何にも分類されていないもの = ラベルがないもの」をアーカイブとみなしているようだ。したがって、アーカイブされたメールは、ラベルがないメールということになり、受信トレイにもゴミ箱にもどこにもないけれども「すべてのメール」には存在することになる。そして「すべてのメール」こそ、よく考えてみれば正しく「メールのアーカイブ」なのだ。


作成: 2012-04-20 12:50:07.0更新: 2012-04-20 12:50:07.0
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