実名のインターネット - 実名の特定について

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「食べ物の恨みより恐ろしいものはない、というが、実は一つだけ食べ物の恨みより恐ろしいものがある。それは『食べ物の逆恨み』である。」(南蛮)

インターネットにおける実名使用について考えてきた。前回、NHK「クローズアップ現代」で取り上げられた「“忘れられる権利”はネット社会を変えるか?」にネットでの実名使用について蟠るものとの関連があると述べた。検討したいのは、ここで取り上げられた日本国内の事例である。別名 (前回の分類でいえば、実名とリンクしていない別名(II)にあたる) で利用している Twitter での「失言」が問題視され、失言に反感を持つ人々によって実名 (個人) が特定され、交流サイト (内容からして SNS と思われる) が発見された。番組のテーマはその後ネット上に複製され拡散してしまった写真を含む個人情報と誹謗中傷がなかなかネットから消え去らないことと、それを「忘れられる権利」の問題なのだが、ここで注目したいのは「別名(II)」を使用していたのに実名が特定されてしまったという点である。

「クローズアップ現代」によると、Twitter の数年分の Tweet を読むことにより、性別・年齢・出身大学・勤務先・居住地域などが明かになった。次のプロセスは明らかにされていないが、実名が特定され、交流サイトの暴露への順で特定が進んだ、とされている。

たしかに、Twitter から採取した一次情報は、「別人に成りきることに徹する」ならばともかく、それこそ「隠れ家遊び」感覚程度では、ついうっかり露呈しそうな情報ばかりだ。ただし、時系列として分散しているはずなので、一次情報の抽出には相当な時間と忍耐力を要する。しかし、それさえ惜しまなければ、 Twitter だけではなくブログからも通読により情報を抽出できるのだ。

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さて、この事件で実名の特定がどのように為されたのか、別名から実名を特定されることを防ぐために参考にならないか、と調査したところ、驚くべきことに本人が実名を Tweet していたということが判明した。実名が一次情報であったわけだ。てっきり実名を除く「性別・年齢・出身大学・勤務先・居住地域など」の一次情報から SNS などを使って二次的に検索されたものと思っていたので、やや拍子抜けした。それと同時に、「かなり意識的にガードしないと、Twitter やブログから個人を特定することは不可能ではない」ことをここからの展開の支柱とするつもりだったので当てが外れた。外れたまま行き着く先も思いつかないので、本日はこれにておしまい。冒頭の警句 (自家製) についてもまた今度。


作成: 2012-08-06 12:43:16.0更新: 2012-08-06 12:43:16.0
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