サイボーグ 009

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子供の頃、クリスマスか誕生日のプレゼントに秋田書店のサンデー・コミックス、石森章太郎 (石ノ森章太郎) の「ボンボン」①〜③巻を買ってもらった。それまで一度も見たことのない作品を選んだのは、たまたま持っていたサンデー・コミックスの巻末の広告に載っていたからだ。そして「たまたま持っていたサンデーコミックス」は、やはり石森章太郎の「サイボーグ 009」であったに違いない。あいまいなのだが、「サイボーグ 009」は私が所持した初めてのコミックスであったように思う。おそらく1960年代末の話だ。

サンデーコミックスの「サイボーグ009」といえば、まさしく「黒い幽霊団」に主人公たちが改造され、叛旗を翻すという 009 の物語の冒頭である。それから40年余り。ようやくその物語が完結したのが昨年のことであった。石ノ森章太郎 (石森章太郎改め) は1998年に亡くなっている。したがって未完に終わったのだが、完結を期す故人の妄執とその息子によって、没後14年を経て完結編が上梓されたのであった。完結編は「まず小説を発表し、次にマンガにする」構想であったとされた。作者亡き今、マンガ版は望むべくもないが、作者自身の原稿と口伝を元に小説版が世に出されたのだ。そんな経緯のある作品なので、その内容についてはあまり言及しない。石ノ森章太郎本人のマンガでは本小説版よりずっとおもしろくなっていたに違いないと確信するとだけ述べておこう。

それにしても、角川文庫の完結編③ (本作品は①を除き文庫のみで出版されている) の入手しにくさは奇妙であった。①・②も同様に入手困難、というのなら不思議でもないのだが、なぜか③のみ手に入らなかったのである。本書を求めて盛岡まで旅をかけたぐらいだ (ウソ)。それだけ、1964年から48年かけて完結した物語の終焉を知りたがった読者が多かったということなのだろうか。それにしても、①・②と③の不均衡に納得いかない。


作成: 2013-01-26 21:54:02.0更新: 2013-01-27 09:46:18.0
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