15年ぶりのはるやま

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昨日の日曜日、「紳士服はるやま」にスーツを買いに行った。諸般の事情により家族総出となった。そして、出発の時点では「はるやま」ではなく青山かモリワンの予定であったのだ。

もともと服を買うのが苦手で、いや、そんな苦手があるものかと思っている人もいるかもしれないが、とにかくそのような種類の苦手も実在するのであって、それが私なのである。それでは実生活上いろいろ問題が発生するので、カジュアルな服は UNIQLO、紳士服なら「はるやま」なら怖くないと自分に言い聞かせて生きてきた。近頃では APITA の紳士服売り場も克服できたのだが、「はるやま」は貴重な取引先であったわけだ。その「はるやま」と15年もの間没交渉となっていたのは、妻の禁足令があったからである。

15年ほど前、「南蛮をかっこよくするプロジェクト」が発動した。当時の私といえば、ボタンダウンのシャツにポケットのたくさんついているベスト、なるべくポケットのたくさんついているズボンを着ていた (服の価値はポケットの数で決まるといまでも信じている) ので、すこし何とかして嫁さんがみつかるようにできないかと有志が立ち上がったものであった (ように記憶している)。

そのプロジェクトの一環として「はるやま」に服を買いに行った。日曜日の夕方のことである。JFN 系列のFM局では松任谷由実「サウンドアドベンチャー」の時間帯、しかもその日はよりによって「恋愛相談特集」で、なにが特集されていたかというと同性愛者の恋愛相談だったのである。プロジェクト有志の一人によれば、松任谷由実の楽曲がきらいなわけでもないし、人並みにボーイズラブにも関心もよせている。したがって、この日のサウンドアドベンチャーを構成する個々の要素にさほど問題があったわけではない。しかしその組み合わせと、それが「はるやま」店内 BGM として避けがたく流されていたことに辟易とするものがあったという。ろくに買い物もせずに出ていくことと相成った。

その有志の一人が現在の妻なのだが、結婚後、件の「はるやま」は禁足となったのであった。しかし、昨日尋ねてみたところ、勘気は解けたらしく、ひさしぶりの「はるやま」での買い物となったのである (その後、この事件その物を忘れていたことが明らかとなる)。そうなると15年ぶり、買い物となるとそれ以上のインターバルである。ただ、もしかすると結婚前に一度「はるやま」で買い物をしているかもしれない。それでも10年は経っている。

さすがにまともな BGM が流れていた。「サウンドアドベンチャー」がなくなったからなのかどうかはわからない。


作成: 2013-04-01 13:32:09.0更新: 2013-04-01 13:32:09.0
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