Knight of The Sky

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ひさしぶりに妻と映画館で映画を見た。フランス映画を映画館で見るのは初めてだ。フランス映画といっても、フランス版「Top Gun」だから、かなりアメリカナイズされたフランス映画といってもいいだろう。

この映画の主人公は、ダッソー Mirage 2000 である。主演俳優の人選として、渋いというべきかはたまたハズしてるというべきか、渡辺謙が主人公をやるべき映画でどういうわけか立川志の輔が主演している、というような微妙な配役である。

というのは、今フランス空軍モノを撮るなら主人公はピッカッピカの新鋭機で、フランス人がかっこいい飛行機をつくるときには本当にカッコよくも美しいな、という Rafal という戦闘機があるからで、「どうして今さら Mirage 2000 なのか」、と思えるのである。

Mirage 2000 そのものが、登場した時点で「何をいまさら」「ダッソーはどうしたのか」と思える代物だった。Mirage シリーズは、そもそもその始祖でありデルタ翼戦闘機の Mirage III は傑作機であるものの、Mirage F は「フランス版クルセイダー?」という後退翼の凡庸な機体で、Mirage G じゃ可変翼を失敗して、さんざんであったモノだ。次はどうするのかと思ったら、再びデルタ翼にしてきたので、もしかして MIrage III の焼直し? と思ったものだ。

それでもライバルがそこそこヘタレであれば、Mirage 2000 もめでたく傑作機となれただろう。まずいことに、ライバルとして ジェネラル・ダイナミック/ロッキード F-16 があったところが Mirage 2000 の悲劇だ。なにしろ、ブレンデットウイングボディとか、機体重量よりも推力の大きいエンジンとか、格闘戦の高いGに堪えれるようにした傾斜座席にフライバイワイヤなど、画期的な性能を持った傑作機である。その傑作機ぶりといったら、後継機 F-35 やヨーロッパ/ロシア系戦闘機の価格/性能比によっては、22世紀までも使われ続けるのではないかと言う掟破りの有り様である。普通の傑作機では太刀打できないのだ。

Mirage 2000 が決して Mirage III の焼直しではなく、その間の航空技術の進歩があえて外見上の回帰をもたらした、というのが真相だということが理解できたのは最近のことである。この映画の中の Mirage 2000 はなかなかカッコよかった。立川志の輔、ガッテンじゃなくてシリアスドラマでも渡辺謙並みにやるじゃないか、と見直した。

ところで、Mirage 2000 の格闘空撮ばかりをスクリーンに映し出すと飛行機酔いで映画館がえらいことになることが想定されたのだろう。飛行シーンの合間に寸劇が挿入されている。観客の健康へのやさしい配慮に感謝したい。したがって、この寸劇の出来については映画代には含まれていないと考えるべきである。

ちなみに Mirage IV の特別出演あり。爆撃機ファンとしてはたまりません。


作成: 2006-03-11 00:24:52.0更新: 2006-03-11 00:24:52.0
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