リスの戦い。

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矢部 辰男「鼠に襲われる都市」(中公新書-1423、1998年) によると、ネズミには貯脂性のものと、貯食性のものがあって、越冬準備として前者はひたすら体に脂肪を蓄積し、後者は食べ物を貯めるのだそうだ。

リスは例の「隠しておいたドングリのありかを忘れ、そのドングリが芽吹くことによって森が育つ」というエピソードがあるため、てっきり貯食性だと思っていたのだが、我が家のリスを観る限り貯食性だけではなく貯脂性も備えているようだ。

ぶ厚い脂肪の層で極寒に耐えるシロクマやペンギン、アザラシの類をみると、一般に、脂肪が蓄積すると耐寒性も備わると思える。ところがリスの場合は、そもそも体が小さいせいか、逆効果が発生しているように思える。脂肪が冷えきってしまい、代謝による発熱でそれを回復できないらしいのだ。

そうなると、気温が上昇しても体温があがらないため、活動ができなくなる。我が家のリスの冬は、日中を過ぎてようやく体温が回復したと思ったらまた下がり始めるため、非常に活動が非活発になるのである。

かくなる上は暖房により室温をかなり上げてやろうかとも思うのだが、呼吸器系が弱いらしく、乾燥するとすぐに咳を始めてしまう。食事だけは通常の量を食べてくれるのがせめてもの救いではある。

ところが、活動が抑制されるのに食事の量はかわらないから、さらに脂肪が蓄えられることになる。すなわち貯脂性のポジティブフィードバックがかかり、ようするに太ってしまうのだ。

ある程度太ってしまうと、クジラの類のように、今度は脂肪の断熱効果も期待できるようになる可能性もあると思うのだが、リスとしてはアザラシのようなどこが首でどこが腰やら、という体格になるのは不本意と見えて、多いに運動をして悪循環を断ち切ろうと努力をしている。

今冬はどうにかなるのかな、と思っていたら先週の土曜日はほとんど寝てすごしていた。やっぱりダメか、と思ったら日曜日には運動していた。

体温低下による活動抑制期に入る前に脂肪をおとすことができるかどうか。リスの戦いは続いている。

がんばれ。

作成: 2005-10-24 12:27:24.0更新: 2006-07-30 13:53:51.0
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