Zガンダムに思う

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ここのところ、ケーブルテレビのアニメチャンネル (Animax) でZガンダム (ぜーたがんだむ) を観ている。最初の数回を見逃したり、DVDレコーダの不調で見逃した回などもあるのだが、本放送のときよりもはるかに高い視聴率だ。いや、一般的な視聴率ではなくわたしの視聴率なのだが。

キリマンジャロ編の話

ちょうど、「キリマンジャロ編」にさしかかっている。ヒトの革新たる "New Type" 同士が戦う悲劇が描かれた、ニュータイプテーマの核心部分だ。

それにしても、その前の「宇宙紛争編」ーここでは、月面と成層圏外を行ったり来たりした局地戦ではあるけれど戦域的にはちっとも局地ではない、という戦いが描かれているわけだが、「ええっといったいどうしてキリマンジャロ編に移行するんだったけ」と、激しく疑問に思えていたのだ。宇宙紛争編の末尾ではいよいよアクシズが登場し、しかもティターンズと誼を通じるのだから宇宙はいよいよ紛争から戦争へと波乱の時代を迎えるわけである。ここでまた主力が地球に降下しなくてはならない必然性がない。

まあ、結果からするとそれ (地球降下) は「事故」だった。それも RX-78ガンダム時代の英雄、シャア・アズナァブルのかなり情けない事故だった。敵の攻撃により乗機「百式」が成層圏に落ちて減速、そのまま降下するというモノだが、なにしろその攻撃が鎖つき分銅による「でこピン」にしか見えない。爆発性の武器ではなく、単に衝突しただけにしか見えないから (実際には接触して電磁パルスを加えるというそれなりにフライバイワイヤーな兵器にダメージを与えそうな武器であるはあるのだが)、でこピン喰らってのけぞって堕ちてったとしか見えないのだ。大気圏突入能力のないシャアの機体を救うため、その能力のある主人公機も地上に降下するのだ。したがって「主力」が降下した、というのは一応間違いでカリスマ指導者を救うため随伴機が一機降下した、というわけだ。

この程度のハプニングなら、事実は小説より奇なり、小説はそれより奇であることを求められるわけだからまあ許せる。それにしても Zガンダムでは敵味方のパイロットが頻繁に遭遇する。キリマンジャロ編では思いを寄せる敵パイロットに会うために主人公は交戦中の敵基地潜入すら行う。初代ガンダムでは事実並の「奇」で遭遇があったものだが、Zガンダムでは無理が多い。ストーリーテーリングが破綻してるのだ。

ガンダム世界の創始者である冨野氏は Zガンダム放映終了後「失敗作」といっておいて、世紀が改まって「いやし」だの「共感」だのがブームになったころ「時代がやっと追いついた。あれは傑作だったのだ」などと嘯いたそうだが、やっぱり失敗作と位置付けておいた方がいいと思うぞ、ストーリーテーラーとしては (宗教指導者としては何いってもかまわないけど)。

ガンダムとミリタリズム

さて、構成に「冨野教の聖典」と奉りあげられるかもしれないストーリーテーリング上の駄作「Zガンダム」であるが、それでも魅力を失わないのはこれでもか、と登場する新型モビルスーツ群があるからである。しばしば「試作機が量産型より強い、というのはおかしい」と当然の疑問が呈されるが、そのとおりである。しかし、20世紀の兵器の発達史において、前期生産型と後期生産型であえて後期の仕様を抑える、という例は存在する。

ミノフスキー粒子は未だなく、ステルス設計のノウハウも手探りの時期に、レーダーによる対空ミサイルの迎撃を避けるために低空で侵攻する爆撃機・戦闘爆撃機が作られた。B-1A、Su-24などである。ところが、困ったことにこいつらの初期型では高空をマッハ2 で飛行する能力も与えられいた。Rx-78 が大気圏突入能力を持っていたように。この能力が「ま、低空を亜音速で飛行するついでの安いコストで」得られたものだったら後期型にも採用されていただろうが、問題は高価だったところにある。高空を超音速で飛んでも基本的に対空ミサイルの的になるだけ、だったのでこの能力は不要とされ、後期型では省略された。だから試作型が量産型より強いことはありえなくとも、前期量産型のミッション・エンベロープが後期型より優れる、ということがないとはいえない。

あれ?

ええと、だいぶ酔っ払ってきていて、そもそも「ガンダムとミリタリズム」という副題は 1978年当時、アムロ「曹長」を登場させたミリタリズムはすごくて、PTAも日教組も無力化著しいものがあったのではないか、という話を展開するつもりだったわけですが、例によって例のごとく、なんだか脇道に逸れた挙句そのままどこにもいかない、ということになりそうです。

おやすみなさい。


作成: 2007-03-02 20:34:05.0更新: 2007-03-02 22:24:04.0
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