2003年10月15日

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なにげなく asahi.com を見ていたら、「PCB、微量で脳の発達阻害 科学技術振興機構が解明」という記事が出ていた。PCBが微量で脳の機能の発達を阻害する仕組みが解明されたというものだ。問題は、『研究代表者の黒田洋一郎・東京都神経科学総合研究所客員研究員は、子どもの学習障害や多動性障害などの行動異常や知能低下の一因ではないかと指摘している。』という点だ。

かねがね、「われわれの世代に学習障害や多動性障害などだった子どもがいたのだろうか?」「学習障害や多動性障害の子どもを明治・大正の近代や江戸時代はどのように遇したのか?」と疑問に思っていた。1960年代生まれにも、勉強のできない子どもや学校での授業態度がどうしようもない子どもはいた。彼らは大まかに意欲や勤勉さの足りない「ばか」と把握され、「障害」をもつ子どもとは認識されずに育てられた。

さまざまな検査の精度の向上がこれらの障害を診断できるようになり、社会へのソフトランディングへの道が用意されるようになってきたのはよいことだ。これまでは、学習障害や多動性障害などの子どもは昔からいたのであり、それが障害と診断されていなかったのだと思っていた。しかし、PCBなどの現代の有害な化学物質が障害を引き起こしたのだとすると、これらの障害は人類の古い友人ではなく現代が直面する新たな文明の負債ということになる。

先の疑問についても、「江戸・明治・大正にはそもそも学習障害や多動性障害の子どもはほとんどいなかった」「1960年代には、PCB などの有害物質の自然界における蓄積が少なく、学習障害や多動性障害を誘発するには致っていなかった。」ことになるわけだ。

研究の進展と、PCB 回収・処理が順調に進むことを願ってやまない。


作成: 2003-10-15 18:36:03.0更新: 2003-10-15 18:36:03.0
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