愛と幻想の棒々鶏

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先週の初めごろから、しきりと棒々鶏を食べたい、と思うようになった。「食べ物が降りてくる」という例の現象だ。それにしても、棒々鶏の訪問は初めてである。しかも、どうやら「家で作って食え」という制限つきで降りてきたらしい。棒々鶏は近所のスーパーマーケットでは定番ではないものの、ちょくちょく見かけた記憶があるので、気長に待つことにしていたのだが、こういうときに限って出てこない。

そして昨日、ついに思いあまって自作することにした。自作といっても、おそらく世の中には「棒々鶏の素」というものがあるだろうから、それに頼りきって作ろう、という魂胆である。探してみると、キッチュな麻婆豆腐の素で有名な丸美屋からズバリ「棒々鶏の素」が出ていた。あとは箱に書いてある材料、鶏のささ身ときゅうりを買い求め、きゅうりを千切りに、ささみを茹でたのちバラし、棒々鶏の素をあえてできあがり。

棒々鶏 不気味バージョン

そして完成したのが写真の「不気味料理・棒々鶏」である。褐色の棒々鶏ソースのところどころに浮かび上がる緑色の液体がおぞましいハーモニーを奏でている、不気味さ極上の逸品である。上記の極めてシンプルな調理でありながら、不気味料理を作ってしまう調理の才能には我ながら驚くばかりだ。

敗因は、きゅうりの千切りのさいに不精をして「千切り用おろし」を使ってしまったところにありそうだ。ようするに細かくおろしすぎ、千切りと言うよりきゅうり素麺の様相であった。一応いったんきゅうり素麺の束を絞ってから皿に盛ったのだが、じくじくときゅうり汁が滲み出てしまったというわけだ。

これでお味の方は結構まともな棒々鶏だから不思議だ。丸美屋の「棒々鶏の素」、キッチュどころかちゃんとしてるようだ。キッチュな挽き肉の入った麻婆豆腐の素と違って、純粋なソースである所がよいのだろうか。不気味でない棒々鶏をつくってあらためて評価してみたい。


作成: 2007-09-23 13:53:49.0更新: 2007-09-23 13:53:49.0
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