「ブルゴーニュ家 中世の秋の歴史」

<< 戻る   トップ >>

「ブルゴーニュ家 中世の秋の歴史」堀越孝一 (1996) 講談社現代新書 #1314 ISBN4-06-149314-0

怖いものみたさで新書を読むのは初めてだ。ここでいう怖いとは、内容が歴史上の虐殺を扱っているとか、ドラキュラなどの恐怖小説や映画を扱っているとかではなく、記述がめちゃくちゃで読みにくいことを指している。そう、問題の「新書ヨーロッパ史中世篇」の編者にして概説著者、堀越孝一の著書である。

読んでみると、「新書ヨーロッパ史」ほどひどくはないように思えた。とはいっても、悪文であることに間違いはなく、とりあつかっている期間が140年程度で、地域もベルギー・オランダ・フランス東部に局限されていることから「新書ヨーロッパ史」ほど悲惨なことにならなかっただけだ。

どうもこのヒトは新書は論説であるという基本がつかめていないようだ。歴史エッセイとして、文庫に納められていればとくに文句はない。ちなみにエッセイとして読んでもひどく独り善がりの噴飯物である。「ヨーロッパ史上級者」にはおもしろいエッセイである微小な可能性は否定しない。しかし、エッセイストは読者に「なにが面白いのか」を伝える努力はするものだろう。エッセイストとしてのセンスにも欠けている。

不思議なのは、講談社現代新書の編集者がこの困った著作物を世に送り出してしまったことだ。しかも、その後「新書ヨーロッパ史」という (前半は) 駄本まで作ってしまっている。堀越 (もはや呼び捨て) との間に何かあるのだろうか。

せめてもの救いといえば、図書館で借りて読んだので堀越に味噌代を与えなかったことか。怖いものみたさで本当に怖いものを見てしまった。


作成: 2007-10-04 09:48:20.0更新: 2007-10-04 09:48:20.0
http://museo-anonimo.jp/nanban/?id=562,http://museo-anonimo.jp/nanban/tr/562