炸裂のモヘジ節

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26日発売か、と思われていたモヘジこと北大路公子の「生きていてもいいかしら日記」だが、紆余曲折の末、昨日 (28日) に入手することができた。奥付の発行日は1月25日扱いで、推定するにやはり出版社周辺では26日に発売されていて、富山への輸送に土日をはさんで2日かかったのではないだろうか。

北大路公子「生きていてもいいかしら日記」

ところで、奥付を見て思ったのだが、かつては奥付に「著者検印」というものがあったような気がする。少なくとも「著者検印略」とされていたように思う。本来は検印があるべきなのだが、著者の同意を得て省略し、いちいち検印しませんでした、ということらしい。

かつて親戚が本を出したとき、部数が少ない専門書だったこともあってか、「検印」を押していたような気がする。たしかその人の初めての本で、上梓できたことが嬉しかったのだろう。奥付にぺたぺたと、しかし誇らしげに押していたように記憶している。また、たしか白戸三平の「カムイ伝」だったと思うのだが、著者検印のところにシールが貼られているのを見た記憶もある。すくなくとも、昭和40年代の初めまでは著者検印は形骸化しながらも健在だったわけだ。昭和も遠くなった。

著者検印の来し方行く末についてはいずれあらためて調べてみるとして、「生きていてもいいかしら日記」だ。それにしても、タイトルを知って一週間と経っていないというのに、何度「生きていてもいいですか日記」と間違っただろう。まぎらわしいので、いっそ中島みゆきの名アルバムに敬意をはらいつつそのままタイトルを頂戴してもよかったのではないか、とも思うのだが、かたや異国の地で死んだ娼婦への挽歌 (エレーン)、かたや「40過ぎて独身で親と暮らして仕事はしているようなしてないような。趣味昼酒。」の平和で非凡な日常では、「生きていいてもいい」のか問い質すその内容があまりにも違いすぎるから、「生きていてもいいかしら」で正解かもしれない。

レタスをレスタと呼ぶおとうさんも8月にストーブくべるおかあさんもお元気そうでよかった。かつて「夜中にものを食べる姉妹選手権」をともに戦い、「枕もとに靴」で結婚した妹さんも幸せそうで、「最後のおでん」で生まれた娘、すなわち北大路氏の姪もすくすくと育ち、すでに幼稚園に通うようになったそうだ。その妹さんを含む幼稚園児母たちとの暗闘を描いたエピソード、前篇「かくして一日は過ぎ去る」と後編「姉の正体教えましょう」が今のところのお気に入り。とくに後編はモヘジ節が炸裂。

ああ、これだよ、この北大路公子を読みたかったのだと、至福に浸るのであった。


作成: 2008-01-29 11:11:25.0更新: 2008-01-29 21:16:14.0
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