だれかのうたってくれたうたをみちづれに

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突然、何の脈絡もなく、幼稚園児のころ、雪山賛歌の歌詞を間違っていたことを思い出した。

娘さん、よく聞けよ 山男にゃ惚れるなよ
山で吹かれりゃよ 若ボケさんだんよ

ボケはもちろん痴呆状態を指すのであって、「惚け」ではない。「惚け」なら結構意味不明なりにハレタホレタで統一感はあるのだが。ともあれ、当時の解釈によると、何か山男 (かろうじて雪男の仲間ではなく、登山者であることは理解していた) が「吹かれる」と、痴呆に成り果ててしまう現象が知られているので、恋人の痴呆化を目の当たりにしたくなければ、惚れてはいけないと警告する歌なのだ、ということなっていた。

問題は何が吹くのか、である。山には何かヒトを痴呆にする恐ろしいトロールのような怪物がいて、それが息を吹きかけるのではないか、と想像もしていたのだが、総じて「ずいずいずっころばし」と同じく意味のない歌と理解していたようだ。

歌詞の取り違え、ということでは、次のような例もある。

男同士のいっしゅうき、それが若さだよ

夏の海、釣り船の上。二人の男がカジキ釣りで競っている。決着がついたあと、互いの健闘を讃えてよく冷えたビールで乾杯する。たしかビールのコマーシャルで、ジョッキになみなみと溢れさせてついだビールが今にしてみればうまそうだ。そう、一周忌ではなく一騎討ちなのだ。

どうやら幼い私はこの歌が好きで、しかも一騎討ちと一周忌を取り違えたままうれしそうに歌っていたという。両親をはじめ、周囲の大人は爆笑ののち「縁起でもない。」とつぶやくのであった。

それにしても、三船敏郎の「男は黙ってサッポロビール」を初めてとして、1970年代のビールのコマーシャルの「真夏の日差しのもと、あふれるほどなみなみと注がれたビール、それも大きなジョッキで汗をかいている、これをゴキュゴキュと飲み干す」という豪快なコマーシャルが懐かしい。やはり後のおしゃれなグラスに注いだビールをちびちびと飲む映像よりもストレートに「ああ、ビールが飲みたい!」と思ってしまう。それでも、屋外汗をかいたジョッキにあふれるビール系でなくても思い出のコマーシャルというのはあって、それは大学時代、サントリーのペンギンズバーである。

懐かしい痛みだわ ずっと前に忘れていた...

アニメーションのペンギンがこれを歌う酒場でやはりペンギンがビールを飲む、というコマーシャルであった。そのペンギン歌姫の歌声に惚れ込んで、誰が歌っているのかと関心をよせていたところ、なんと松田聖子でで、それまで「あーあ、あのかわいこぶりっ子ね」とむしろ嫌悪していたところから思い切り転んでファンになった、という思い出のビールコマーシャルである。サントリービールには転ばなかったが。


作成: 2008-02-15 19:21:26.0更新: 2008-02-15 19:21:26.0
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