猫、騒乱

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平和な初夏の夕方であった。そしてそれは我が家の庭にふらりとやってきた。

妻の証言によれば、我が家の3匹の猫、さくら・ミネルバ・アレックスはその闖入者を熱心に観察していたという。そのとき私は庭でせっせと芝生を蝕むスギナとミズゴケと戦っていた。ちなみ妻はネットワークゲーム「ブロキシ」をプレイ中であった。珍しい闖入者に、妻は私に注進にやってきた。どれどれ、どんな猫が来たか、と見に行ったときに家の中で異変が発生した。猫同士が争う激しい声である。

家の中に戻ると、小心者のアレックス(♂) は尻尾を狸のように太くして逃亡態勢を整えており、ボス猫であるさくらと序列最下位のミネルバが威嚇しあっていた。室内には私のものでも妻のも野でもない尿が数ヶ所にまき散らかされており、香り高く異常事態の発生を告げていた。

件の外猫はこちらが面会に趣いた時点で遠慮して退去していたので、少なくとも家屋内への侵入はありえなかったのであるが、とにかくその出現によって我が家の猫秩序というものに異変が生じたことは間違いない。臆病者のアレックス(♂)はともかく。ボス猫さくら(♀)とミネルバ(♀)の間に抗争が発生したのである。

経緯はよくわからない。妻は外猫の来訪を告げに三猫から目を離しており、私は庭で除草中である。外猫の接近によりさくらの領土防衛本能に火がついて過剰反応したのか、ボス猫の権威失墜にミネルバが反旗を翻したのか。緊張は続いており、明日からの名古屋観光のために障碍のある猫さくらは獣医のペットホテルへ、ミネルバとアレックスは留守番をすることになる。帰ってきてから何が起こるのか。それとも何もなかったことになるか。予断は許されない。


作成: 2008-05-02 21:00:38.0更新: 2008-05-02 21:00:38.0
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