老兵は死なず ーただし去りもせずー (上)

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CASIO DP-300 Digital Color Printer
CASIO DP-300 Digital Color "Sticker" Printer (1997)
CASIO DP-300 Digital Color "Sticker" Printer 商品説明ラベルの褪色が13年という歳月の経過を物語る。この手のシールは早めに剥がす方なのだが、これほど「歴史的」になってしまうと剥がすわけにもいかない。

当初は「さらばCASIO DP-300」という追悼記事を予定してたのだが、これが「DP-300の復活」になりかけて、よく考えてみたら死んだと思った事自体が勘違いだったし、ということでこの「老兵は死なず ーただし去りもせずー」となった。

CASIO DP-300 は「デジタルカラープリンター」である。なんたって本体貼付のシールにそう書いてあるのだ。たしかにカラー印刷ができるし、印刷データはデジタルで転送されるので「デジタルカラープリンター」といっても嘘ではないかもしれない。しかしその実態は一般的に考えられるカラープリンターとは程遠いものだ。

DP-300 はデジタルカメラに接続してシールを印刷するために開発されたデバイスである。すなわち、目指したモノはパーソナルプリクラだったのだ。CASIO は「デジカメ」を創造したメーカーでもあり、同時に電子文具・ラベルライターの「Nameland」の製造元でもある。デジカメとネームランドを組み合わせてパーソナルプリント倶楽部を作ってしまうのも頷ける。よく見ると「デジタルカラープリンター」から「シール」の吹き出しがある。また、説明にわざわざ「デジタル」が冠してあるのは「デジタルカメラ」と合わせたためだろう。

デジカメそのものを普及させた名機 CASIO QV-10 が 1995年の発売で、DP-300 は1997年。ちなみに USB が普及し始めたのは 2000年ごろだから、このころの入出力デバイスは当然のようにシリアルポート (RS-232C) を利用していた (厳密にはパラレルポート: いわゆるセントロニクス規格も候補となり得たが、パラレルポートは実質的にプリンタに占有されていた。つけたり外したりするオプション機器の多くはシリアルポートを使用した)。したがって DP-300 は PCにも接続できて、この場合はPC周辺機器のラベルライターとして利用することになる。

時は流れて21世紀、パソコンの外部機器はことごとく USB 接続となり、むしろシリアルポートのある PC は金のわらじを履いて探さなくてはいけないような有様だ(いや、探さなくてはいけないが普通のわらじで十分だ)。手元のパソコンでもシリアルポートを使うとなると、わざわざボードから延長線を使ってひきまわさなくてはいけなくなる。

(続く)

作成: 2010-02-04 11:02:46.0更新: 2010-02-04 15:22:21.0
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